ドイツでできた、かけがえのない友人がもう一人、わたしの元を訪ねてくれた。
彼女は有給で2週間半、日本に滞在していて、帰国前の数日を共に過ごした。春に日本に来たのは桜が見たいという夢を叶えるためだ。彼女が広島やしまなみ海道、屋久島を旅した後に、合流した。
自然が大好き!というリクエストに答え、高千穂や阿蘇、そして福岡を巡った。旅程のほどんどはあいにくのお天気だったけれど、霧の中のドライブ、強風に吹かれながらの火口見学、牧場のアイスクリーム、なびいていない鯉のぼり、満開のチューリップ畑は楽しかったし美味しかったし、笑っていた。
ドライブ中、「ドイツから帰って来て、ドイツに来る前と何か変わったと友達に言われた?」と質問されたけど、当の本人にはわからない。それよりも友人が結婚した、子どもが生まれた、という目に見える変化の方が大きい。気の弱さも、自信のなさも、優柔不断なところも、全く変わっていないように思う。一方で、知っている世界が増えた、会いたい友人がいる、帰りたいと思える場所がある、意思疎通できるもう一つの言語を身につけたのは経験と財産だ。誰にも奪えない。ありきたりな言葉だけど、本当だ。
次、会えるのはいつだろう。その時はスーツケースいっぱいにお菓子を詰めて持って行こう。