6月30日、パンと日用品店を経営する「わざわざ」代表・平田はる香さんの「山の上のパン屋に人が集まるわけ」刊行記念トークイベントに参加してきた。本やインタビュー記事の印象とはまた違って可愛らしくて、よく笑う、素敵な方だった。聞き手は、ブックスキューブリック店主・大井実さん。
特に印象的だったこと
・「なぜ上手くいかなかったのか?失敗したのか?を何度も考えて、検証して、実行していく」これを事業、採用、社内教育など、問題のあるたびにひとつひとつ、徹底的に、地道に重ねてきたこと
(本書の中にもわざわざが成長できた理由としてP.171に明文化してあるが、イベント中も繰り返し話されていて、平田さんにとって基本の考え方であり、いかに大切なことなのか、というのが伝わってきた)
・レイヤー=場所・環境・出会う人を自分で頑張って、移動して変えること。チャレンジするのはきつくて大変だけれど、その経験が次の扉を開くこと。到底叶いそうにないと思っていたことも叶う。ICC KYOTO2022の登壇(=挑戦)から広がった縁や講演の機会があったことを例えに、小学校の私が言っても受け入れられなかったことも、レイヤーを移動した今この場や会社では受け入れられる。自分は変わっていないけれど、周りが変わると自分の夢や目標が受け入れられるということ。
(私自身の今年の目標はインプットを増やすことで、そのために旅をしたり出会ったりすることはレイヤーを移すことにつながっているはずだ)
・成功するイメージと同時に最悪の場合も考えている。そうすると何か起こった時に落ち着いて対応できる。
(これは自分も最悪なパターンはよく考えているので、ネガティブなことだけではないんだ、と思った)
質疑応答の際に「人を雇うことは怖くなかったのか?どうやってそれを乗り切ったのか?」と質問したところ「社会の角度を一度変えるために、チームを組んでやっていくことは必然だった。一人では変えられない。何か問題が起きても私が責任を取る、その覚悟ができたから」と答えてくれた。(天然酵母や国産小麦を看板から外した時のことだったそうP.71)
また、独立したいと思っていると相談すると
「やってみたらいいじゃないですか。起業って簡単にできるんですよ。失敗したらやめたらいいんです。そんなに初期投資をしないで、失敗していいレベルでやってみる。やってみないとわからないことがあるから。向いているか、向いていないかも。
人と組むなら自分と全然違うタイプの人と組むこと(スキルも性格も、全部)。似たようなタイプの人なら話は合うかもしれないけど上手くいかない。出資比率は60%と40%とか自分が主導権を握れるようにしておくこと。50%・50%だとどうしても揉めてしまう。
失敗したら、なぜ上手くいかなかったのか考えればいいんです」
と合言葉を言うように、笑って背中を押してくれた。
この他に、具体的な採用の流れや企業文化の醸成など経営にとって欠かせないヒトにまつわることから「7月1日は一生忘れられない」と語った工事着工前日の融資条件変更事件など、店主の大井さんも「自分自身も録画を見直したい。とても勉強になる会だった」と語ったトークイベントの全容はブックスキューブリックのアーカイブ配信からぜひ(って回し者でもなんでもないんだけど笑)。