旅と長い休憩の終わり

12月4日〜10日まで、ドイツの友人が訪ねてきた。彼女と一緒にこの一週間で登った山は、普賢岳(長崎)、東鳳翩山(山口)、宝満山(福岡)。

友人に励まされながら、ヒィヒィ言いながら、登り切った山頂からの眺めは最高だった。彼女のお気に入りは普賢岳、私のお気に入りは名前も知らなかった東鳳翩山(ひがしほうべんざん)。宝満山では登っている最中、私の機嫌は最悪で、長時間の運転と疲労、そして幅広の、どこまでも続く石の階段にいらついていて、旅行に来て慣れぬ土地でよっぽど大変であろう彼女に気遣われながらの登山となった。振り返っても申し訳ないばかりだけど、週2で登山、水泳とアクティブに生活する友人の体力には敵わない。

4度目の来日となる彼女はついに日本で運転することにも成功した。「右折するときには気をつけてね!高速には乗っちゃダメだよ!」と私の心配をよそに「日本での運転は、ドイツよりもよっぽど簡単だわ」と軽やかに返信してきた。むしろ、日本の運転マナーに驚くこともあったそう。

鹿児島で桜島、霧島、指宿を一人旅した後の彼女と合流し、向かったのは長崎。大きな窓から海が一望できるNAGASAKI HOUSE ぶらぶらに宿泊し、立派な自転車をお借りしてサイクリング。長崎といえば、な急な坂道にヘトヘトになりながら断崖絶壁の景色に出会ったり。

部屋から日の出鑑賞。外に観にいくの?と聞いたら、何のためにここに泊まっているのよ、と笑ってた
この真下は断崖絶壁

長崎市内で私も彼女も感動したのは、ライトアップされた三原庭園だ。紅葉の時期もぴったりで美しかったことはもちろん、たくさんの手仕事、重労働、かけられた時間やお金、何よりもその場を作り上げた情熱や気持ちが見えるようで、心が動かされた。しかも入場無料で、誰にでも開かれている懐の深さ。あまりに気に入ったので、翌朝も訪問してカフェにお邪魔した。そこでなんと、この庭を手がけた庭園デザイナー・石原和幸さんにお目にかかることができてラッキーだった。

昼間もカフェでゆったりでき、盆栽エリアもしっかりと鑑賞できるが、夜、ライトアップされた庭園をおすすめしたい。平日だったこともあり貸切状態だった

そして雲仙は湯宿 蒸気屋に向かう。蒸し釜を体験してほしくて、この宿を選んだ。タネトで見つけた色とりどりの野菜、そして田中鮮魚店でゲットした立派な鯛と、豪華な晩御飯で彼女の誕生日をお祝いした。翌日は普賢岳に向かう道すがら焼きたての湯煎餅をかじり、仁田峠から登頂開始。氷柱ができている場所があるほど冷え込んでいて、残念ながら紅葉は終わっていたけれど、茶色の平成新山はとっても印象的だったみたい。

立派な鯛はなんと500円。野菜も甘くて、蒸しただけで全部美味しかった。人参サラダは彼女のお手製で、コンビニで胡麻ドレッシングを買うというナイスアイディアは次回以降真似したい
普賢岳にて

その後福岡に移動し、私の実家で一呼吸。スーツケースいっぱいに持ってきてくれたお土産を一つ一つ紹介してくれた。懐かしい味を届けてくれたのはもちろん、それを準備してくれた気持ちや時間、労力が本当にありがたい。大切にいただこう。

さて、旅の終盤は萩へ。本来は夕日を見てほしくて選んだけれどもあいにくの天気。私たちの旅は、事前に宿だけを押さえ、現地で計画していたため、東鳳翩山に登るのが決まったのも前日。さらに彼女の帰国日に宝満山に登ることになったのも前日で、萩市から山口市へと向かうドライブ中に決まった。

明日も登山するのに700m級の山に登るなんて、と不安を抱えながらの登山だったが、山頂からの眺めは360度見渡すことのできる気持ちの良いものだった。登山道も綺麗で木漏れ日や木々を楽しみながら下山することができた(登山道の入り口には、熊に注意という看板があって怖かったけれど)。

視界が開けていて気持ちが良い。山道が良いからなのか、トレイルランニングの人と数人すれ違った

その後は、湯田温泉に立ち寄り、疲れて冷えた体を温めた後、リクエストのうなぎを食べに行った。ちょっと奮発して、ご飯も大盛りを頼んで大満足のわたしたち。「これをドイツで食べるとしたら、払えないほど高価ね」と言っていた。リサイクルショップに立ち寄ったり、ゲラゲラ笑いながら宿へとドライブした帰り道が一番の宝物だ。

そして迎えた最終日。朝6時にアラームに起こされ、7時前に宿を立つ。向かう先は宝満山。麓はまだ紅葉が綺麗で彼女には申し訳ないけれど、二合目地点のポイント3(林道終点)まで車で登った。後ほど、やっぱり竈門神社から登ればよかったと後悔したけど朝の私にその判断はできなかった。

宝満山山頂。この後、仏頂山まで足を伸ばした
彼女の旅の目的は、紅葉を見ること。最終日に立派な紅葉が見れてよかった

さぁいよいよお別れの時。「次はもっと元気で体力つけとくわ」というと「次はあなたが来る番よ。またね!」と言って別れた。

この旅が終わると同時に、私の長い長いPauseも終わり。そういうわけで私は絶賛転職活動中。
今の自分にできる判断を、重ねていくことしかできない。

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