「Salon du chocolat」レポート
僕がパティシエ・ショコラティエになった理由
一番良かったことは、日本語でのデモンストレーションを見れたこと、質問できたこと。登壇者は小山進es koyamaオーナーシェフ(写真左端)。その道の人なら知らない人はいないほど著名な方だそうですが、私は知らずに不躾かも、と思いながら質問。関西弁で明るく、丁寧に、答えてくれました。
Q.「なぜパティシエになったのか?」
A.「洋菓子職人の父から『パティシエにはなるな』と言われていたのに、ミュージシャン、陶芸家、先生、テレビプロデューサー、いろんなことになりたかった僕が、いろいろ考えながらパティシエをやってるよ」
Q.「新商品の開発方法は?」
A.「パティシエとショコラティエは全く違う職業。まず、パティシエとしてケーキ、お菓子を作る時は食べたいものを作っている。秋だから栗のケーキが食べたいな、とか。ただし、頭の中で完璧に雰囲気も形もできるまで試作は作らない。試作を作ったら、その完成形に近づけていく。
ショコラティエとしては、毎日の日常で気づいたことをメモして、集めて、実現しそうなものからチャレンジしている。味の組み合わせとか、特に余韻が大事。ショコラティエはアーティスティックな仕事だと感じている。この仕事に出会えて良かった」(いつショコラティエとしての仕事に出会ったか、聞けばよかった)
他に印象に残っているお話としては「今、当たり前にある素材がいつまで使えるとも限らない。臨機応変に対応できる力をつけることが必要。それがプロ」。これは少し前からバニラビーンズの値段が高騰、ほとんど手に入らなくなった時に、代わりになる材料として種子島の粗製糖を見つけたというエピソードから(バニラビーンズとは違ったコクが出るんだとか)。
「ふわふわ、しっとりした食感は日本人が得意」。これを聞いて、なるほどなと思ったのが、その土地、気候に合ったケーキが生まれるのだなと。湿気の多い日本だからこそ、その気候を生かしてふわふわ、しっとりがうまくいくのであって、乾燥したヨーロッパだからこそバリバリのフランスパンが美味しくって、シューの皮もガリッ(ゴワッ)としてて、焼きメレンゲもサクッとしているのかもしれない。
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